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2008.01.14

虹をつかむ男

 異色作家短編集の第14巻であるジェイムズ・サーバー著「虹をつかむ男」(早川書房)を読んだ。
 この作家に関しては,私は全く予備知識がなかった。
 本についている帯を見ると

 かよわい男に生まれたもんだ
 生きてくだけでひと苦労
 逃げ込む場所は
 ここしかないのさ
と書かれている。
 これを読んでも,どういう傾向の作家なのか判別は大変困難である。
虹をつかむ男

 読んでみたところ,すごいと思うほどの作品があるわけではないけれどけっこうおもしろかった。
 言ってみれば,気の利いたショートショート集のような短編集である。

 例えば,短編集の名称にもなっている一編「虹をつかむ男」である。
 この作品では,放っておくと妄想の世界に入り込んでしまう男の話である。
 くだらないと言えばくだらないのだけれど,その妄想のばからしさになんだか妙なコメディー色があっておもしろい。
 ダニー・ケイ主演で映画化されたらしいので,いつかその映画も見てみたいものである。
 「空の歩道」という一編もなかなかユニークである。
 何かと話の腰を折ってしまう妻に対抗して(?),妻にも口を出す余地がないはずの自分の夢の中のできごとの話を始めた夫であるが・・・という,どうでもいいようなシチュエーションの物語なのに,なかなかおもしろいオチがついている。
 さらに,個人的には,「ウィルマおばさんの勘定」がおもしろかった。
 計算が達者な食料品屋のおやじさんのハンスさんと,勘定が苦手だけれど納得できない限りは引き下がろうとしないお客さんであるウィルマおばさんとの壮絶な闘いを描いた短編である。
 読んでいて頭がぐらぐらしてくるようなこの感覚は素晴らしい。

 全体として,ちょっとした出来事におもしろいオチをつけたような,気の利いた物語こそが,このジェイムズ・サーバーという作家の持ち味なのであろう。
 すごい作家というのとはちょっと違うような気がするが,これはこれでちょっとした曲者である。

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Comments

「その映画」は,なかなか佳かったし,その続編  http://www.amazon.co.jp/%E8%99%B9%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%82%80%E7%94%B7-%E5%8D%97%E5%9B%BD%E5%A5%AE%E6%96%97%E7%AF%87-%E8%A5%BF%E7%94%B0%E6%95%8F%E8%A1%8C/dp/B000O17C0Q/ref=pd_sbs_d_title_1
も見所がありました・・・・って,それは違うだろ,といういつぞやのスパイダーマンネタと同じ手を使ってしまいました。

Posted by: きょう | 2008.02.11 at 11:08 AM

ダニー・ケイといえば、谷啓氏の名前の由来になったことも有名ですね。
映画の「虹をつかむ男」(ダニー・ケイ主演)は、本当に面白いです。
西田敏行氏主演のほうはみていませんが、マツタケ映画のようですね・・・。

Posted by: oriori | 2008.02.11 at 02:35 PM

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