キンキーブーツ
夏休みのスイス旅行の際,チューリヒから成田に向かう飛行機の中で,映画「キンキーブーツ」を見た。
父親の靴工場を継いだ優柔不断な若者チャーリーが,倒産寸前の靴工場の経営を立て直すために新事業に乗り出す物語である。
チャーリーは,あるきっかけから,工場を経営を立て直すための起死回生の一手としてすき間産業に乗り出すことを決意する。
そのすき間産業が,ドラァグ・クイーン向けのブーツ生産なのである。
旧弊なイギリスの片田舎で,自分の工場の従業員を初めとする人々の目を気にしながら,真っ赤なブーツ作りに取り組み始めるチャーリー・・・。
イギリス人というのは,本当に妙なものを作ると思う。
イギリスのコメディーを見るといつもそう思うのだが,イギリス人のユーモアというのは,アメリカの笑いの系列とは何か違っていて,本当に「妙な」魅力があると思う。
工場で働いている従業員がいかにも普通のおじさんたちやおばさんたちに見えるからこそだと思うのだが,実におもしろい作品に仕上がっているのである。
この作品では,主人公よりもあの従業員のおじさんたちやおばさんたちがまず名優だと言うべきであろう。
一言か二言くらいしかせりふがない完全な端役であるが,ドラァグ・クイーンのローラがブーツ作りに協力するために靴工場の町に滞在するときの滞在先のホストのおばあさんなども,個人的にはかなり気に入った。
ローラも,そんな年寄りにショックを与えてはいけないと思ったのか,自らの性別についてそれなりに繕ってみせているのだけれど・・・・・。
イギリスの「おばあちゃん」の懐の深さを見せられた感じがして,大変良かった。
総じて,決してメジャーではないはずだがかなりおもしろい映画だったと言ってよいと思う。
