リ・ジェネシス 第13話「新・創世記」
録画していた「リ・ジェネシス」第13話を見た。
これが最終回である。
あらすじを簡単に言ってしまえば,サンドストロム博士が怒られて反省していろいろな人に協力してもらってワクチンを作ってもらい,なんとか事態が沈静化する見通しがたって終わりになるというものであった。
これで終わりとはあっけない幕切れである。
かなり期待した見始めた「リ・ジェネシス」であるが,見終わった今となっては,期待したほどのドラマではなかったし見なくてもよかったと思う。
分析的に考えれば理由は2つ考えられる。
1つは,いくつかの事件がばらばらに並行して生じ,それらの事件がなんとなく終息を向かえて終わっていくというドラマの造りに起因するのだと思う。
「ER緊急救命室」を初めて見たときに同じような印象を受けたし,その後,このような手法はこの種のドラマでたびたび使われているような気がするのだが,これはへたなやり方をすると消化不良のエピソードにそれぞれ結末をつけないまま,だらだらと話が続いていくということになりかねない。
ひとつひとつの事件について考えると,風呂敷を広げるだけ広げて広げっぱなしになってしまう可能性があるのであり,「リ・ジェネシス」の場合,実際にそういう印象が強かった。
各事件そのものを見せるというよりも,登場人物のキャラクターが好きな人にその日常を切り取って見せるタイプの物語なのかもしれない。
もう1つは,それぞれのエピソードでの基本的なネタがあまりに技術的になりすぎていたことである。
ミステリ小説の世界に例えて言うと分かりやすいと思う。
ミステリ小説でしばしば扱われるものに「密室殺人」というものがあるが,伝統的な立場から言えば,密室殺人を実現するトリックは心理的なものであるほど優秀とされ,機械的トリックは一段劣るものと考えられている。
最近はこれに異論もあることは承知しているが,やはり機械的トリックは心理的な盲点を突いたトリックと比較するとおもしろみに欠ける場合が多いと思う。
実際,例えば,内側から鍵がかけられている密室で他殺死体が発見されたという事件が提示されていたとして,解決編で「実は,世界で最初に開発された特殊な機械があり,それを使えばドアの外から,これこれこういう方法により,内側から鍵をかけたかのように鍵をかけることができたのです」などと言われてしまうと,たとえその機械的説明が科学的に真であったとしても,全くおもしろくないであろう。
この「リ・ジェネシス」という作品は,そういう意味で,基本的なネタが技術的すぎてつまらないのである。
あるエピソードで,病気を起こすほどのバクテリアが通過できないろ過をした水を飲んだ人が病気になった理由が問題になっていたが,結局,その解決は,「病気を引き起こしたのはバクテリアファージだったから」というものだった。
私にとっては,「原因がバクテリアファージだったから病気になったのもおかしくなかったのだ」という解決がそれほど納得のいくものであったとは言えない。
それで科学的に説明のつくものであったとしても,密室殺人の物語でドアの外から鍵を開け閉めできる特殊な機械を後出しされたのとほとんど変わらないと思う。
つまり,「リ・ジェネシス」には,事件の解決に至る知的な妙味というものが感じられないのである。
まとめとして言うならば,個人的には,この「リ・ジェネシス」は人に勧める気にはなれないテレビドラマである。
「ER緊急救命室」を見ておもしろいと思った人なら比較的向いているのかもしれないけれど,初期のER緊急救命室の方がおもしろいのではないかと私は思う。

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