2007.01.16

リ・ジェネシス 第13話「新・創世記」

 録画していた「リ・ジェネシス」第13話を見た。
 これが最終回である。
 あらすじを簡単に言ってしまえば,サンドストロム博士が怒られて反省していろいろな人に協力してもらってワクチンを作ってもらい,なんとか事態が沈静化する見通しがたって終わりになるというものであった。
 これで終わりとはあっけない幕切れである。

 かなり期待した見始めた「リ・ジェネシス」であるが,見終わった今となっては,期待したほどのドラマではなかったし見なくてもよかったと思う。
 分析的に考えれば理由は2つ考えられる。

 1つは,いくつかの事件がばらばらに並行して生じ,それらの事件がなんとなく終息を向かえて終わっていくというドラマの造りに起因するのだと思う。
 「ER緊急救命室」を初めて見たときに同じような印象を受けたし,その後,このような手法はこの種のドラマでたびたび使われているような気がするのだが,これはへたなやり方をすると消化不良のエピソードにそれぞれ結末をつけないまま,だらだらと話が続いていくということになりかねない。
 ひとつひとつの事件について考えると,風呂敷を広げるだけ広げて広げっぱなしになってしまう可能性があるのであり,「リ・ジェネシス」の場合,実際にそういう印象が強かった。
 各事件そのものを見せるというよりも,登場人物のキャラクターが好きな人にその日常を切り取って見せるタイプの物語なのかもしれない。

 もう1つは,それぞれのエピソードでの基本的なネタがあまりに技術的になりすぎていたことである。
 ミステリ小説の世界に例えて言うと分かりやすいと思う。
 ミステリ小説でしばしば扱われるものに「密室殺人」というものがあるが,伝統的な立場から言えば,密室殺人を実現するトリックは心理的なものであるほど優秀とされ,機械的トリックは一段劣るものと考えられている。
 最近はこれに異論もあることは承知しているが,やはり機械的トリックは心理的な盲点を突いたトリックと比較するとおもしろみに欠ける場合が多いと思う。
 実際,例えば,内側から鍵がかけられている密室で他殺死体が発見されたという事件が提示されていたとして,解決編で「実は,世界で最初に開発された特殊な機械があり,それを使えばドアの外から,これこれこういう方法により,内側から鍵をかけたかのように鍵をかけることができたのです」などと言われてしまうと,たとえその機械的説明が科学的に真であったとしても,全くおもしろくないであろう。
 この「リ・ジェネシス」という作品は,そういう意味で,基本的なネタが技術的すぎてつまらないのである。
 あるエピソードで,病気を起こすほどのバクテリアが通過できないろ過をした水を飲んだ人が病気になった理由が問題になっていたが,結局,その解決は,「病気を引き起こしたのはバクテリアファージだったから」というものだった。
 私にとっては,「原因がバクテリアファージだったから病気になったのもおかしくなかったのだ」という解決がそれほど納得のいくものであったとは言えない。
 それで科学的に説明のつくものであったとしても,密室殺人の物語でドアの外から鍵を開け閉めできる特殊な機械を後出しされたのとほとんど変わらないと思う。
 つまり,「リ・ジェネシス」には,事件の解決に至る知的な妙味というものが感じられないのである。

 まとめとして言うならば,個人的には,この「リ・ジェネシス」は人に勧める気にはなれないテレビドラマである。
 「ER緊急救命室」を見ておもしろいと思った人なら比較的向いているのかもしれないけれど,初期のER緊急救命室の方がおもしろいのではないかと私は思う。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

2007.01.14

リ・ジェネシス 第12話「復活」

 録画していた「リ・ジェネシス」第12話を見た。
 いよいよおもしろくなってきた
 第1話の冒頭部分につながる物語である。

 コロラド州デンバーで流行し始めたSARS類似の伝染病について調べ始めたサンドストロム博士の表情が変わる。
 第6話の内容から,おそらくその病気が復活したスペインかぜだということは視聴者には分かるつくりになっているのであるが,サンドストロム博士以外の劇中の人物はそのことを知る由もない。
 サンドストロム博士が,スペインかぜによる死者の遺体の違法な発掘をしたにしても,なぜそれがコロラド州でいきなり広まってしまったのか,その点はなぞであるが,仮にスペインかぜの流行自体に博士の直接的な責任がないとしても,WHOにウィルスを送ってワクチンの開発をしてもらうべきだとのジル・ラングストンの意見を容れなかったサンドストロム博士のせいで,死ななくてもよかったはずの人が多数死亡していることは否定できないであろう。
 NorBAC所長のキャロライン・モリソンが

 くそ!
 最悪なのはどっちかしら。
 テロリストがウィルスをまいた場合?
 うちの主任科学者がまいた場合?
となげいた場面が印象に残った。
 彼女の言うとおり,どちらにしろ最悪だな。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.01.13

リ・ジェネシス 第11話「バイオテロ」

 録画していた「リ・ジェネシス」第11話を見た。
 最近,あまりおもしろくないエピソードが続いていたが,今回は久々に最初から緊迫した場面があっておもしろかった。
 もっとも,その緊迫した場面は演習だったということが後で分かるというオチがあるのだけれど。

 メインストーリーは,第1話で扱っていたラクダ天然痘とエボラ出血熱を組み合わせたようなウィルスの出自を探り,新たなウィルス兵器の存在が明らかになるというものである。
 やはり,この手の端的なウィルスによるパニックを描くストーリーが一番分かりやすいし,その恐怖感に共感できるので,少しおもしろい感じがする。
 前回,ジル・ラングストンが吐いたりしていたのは,今回のエピソード内の説明によれば,やはり実験失敗のショック等によるものだったようである。

 次回,ようやく第1話の冒頭の意味が明らかになるようなので,そこが楽しみである。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.01.12

リ・ジェネシス 第10回「遺伝子操作」

 WOWOWで放送されていたのを録画していた「リ・ジェネシス」第10話を見た。

 突然,生化学の学者のボブ・メルニコフが化粧品会社の研究所に移籍してしまう。
 彼が人付き合いを苦手としていることはここまでさんざん描写されているが,彼がアスペルガー症候群だということがはっきり表現されたのは,この回が最初である。
 もっとも,WOWOWのホームページでは,キャスト紹介で書かれてしまっており,完全にネタバレになってしまっている。

 物語は,メキシコで血友病類似の病気が発生し,その原因を突き止めるというストーリーが軸になっていた。
 その原因を作ったのは,結局,ある学者なのであるが,その学者があまりに楽観的にものを見ているところが笑っていいのか悲しむべきなのかよく分からなかった。

 この第10回で,実験のミスを指摘されたウィルス学者のジル・ラングストンが突然おう吐する描写があった。
 これは,本当は実験のミスとは何の関係もないもので,何らかのウィルスに侵されているということなのではないだろうか。
 あと3回で最終回だが,どのような結末に持っていくのだろう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.01.11

リ・ジェネシス 第9回「異常発症」

 録画していた「リ・ジェネシス」第9話を見た。

 イラク戦争で廃棄物処理を請け負った会社の従業員のうち少なからぬ人数が,関節の痛みぜんそく深刻な脱毛症を訴えているということを,生物情報学の研究者メイコ・トランが話題にした際,カルロス・セラーノ医師が

 脱毛症は全て深刻だ
と発言したところが最もおもしろかった。
 カルロスの頭を見れば,大変説得力のある発言であることが分かる。

 次におもしろかったのは,メイコ・トランがその情報を入手したサイトの名称が

 ムカつく科学ドットコム
だったことである。
 なんなんだ,それは。

 ストーリーは,今のところ,やはりおもしろみに書けるように思う。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.01.10

リ・ジェネシス 第8話「大停電」

 WOWOWで年始に放送していたものを録画していた「リ・ジェネシス」第8話を見た。
 今回は,カナダを襲った大停電の原因が何かという問題について探るのが本筋である。
 こういう問題まで,バイオテクノロジーとか分子生物学を扱う研究所に持ち込まれるというのが不思議な気がするのだけれど,そういうものなのだろうか。
 また,同時並行で描かれる自称「クローン」少年が死亡したことにショックを受けた娘を,離婚した妻のもとに帰すという話も重要な筋書きということになるのだろう。

 前者の問題は,なんだかバクテリアが原因ということで解決してしまうし,後者の問題も,それほどドラマとして見どころがあったとは思わない。
 この1回分をドラマとしてみれば中途半端だと思うし,第1回の冒頭の部分までどう話を持っていくかという観点から見ても,重要な回だったとは思えない。
 見ていて消化不良な感じが残るエピソードが続いている。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.01.09

リ・ジェネシス 第7話「HIV」

 録画していた「リ・ジェネシス」第7話を見た。

 主人公の同僚カルロス・セラーノ医師の友人がHIV感染しており,その人物に実験的な最先端の医療を受けさせるためカルロスが奔走するのが今回の本筋であった。
 ただ,そのことよりも,カルロスが同性愛者だったことびっくりしたことの印象ばかり残った。
 そのことでびっくりさせようとするドラマのつくりになっているので,まんまと制作者の意図にはまってしまったというところであろうか。
 また,この回で,自称「クローン」少年はあっさり死亡した。
 彼は,なんのためにこの物語に登場したのか,どうにもよく分からないような気がする。

 また,行き当たりばったりの混迷のストーリーに逆戻りしたような印象である。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.01.08

リ・ジェネシス 第6話「生体実験」

 WOWOWで放送されたものを録画していた「リ・ジェネシス」第6話を見た。
 この回は,物語のターニングポイントになりうるのかもしれない。
 ここまでファーストネームしか分かっていなかった「ジョー」の登場である。
 第1話の冒頭の場面で,弱りきった様子のサンドストロム博士は,「ジョー」に対して,「死体」が「あの場所」にまだあるのか確認するよう依頼し,墓地に着いたらすぐに電話するよう頼んでいる
 おそらく,この第6話で描かれているサンドストロム博士によるスペインかぜによる遺体からの違法な資料採取が,博士が後に追い込まれる原因となるのであろう。
 スペインかぜ絡みのトラブルが生じて何らかの危機に陥り,一方でそれが違法な墓荒らしで採取した資料であったため,博士はそのことを説明することもできず,危険を増大させたなどという筋書きなのではなかろうか。
 そういう,今後の展開に影響しうる人物の登場という意味では興味深かった。

 第6話の主題は,新しいがん治療法の治験の可否について,サンドストロム博士が判断を求められるというものであった。
 がん患者の子供の父親が,すがるように治験に希望を寄せている姿が,なんとも痛々しかった。
 こういう問題は,当事者にとってはまさに生きるか死ぬかの問題だということを思い起こさせるエピソードである。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.01.07

リ・ジェネシス 第5話「最古のウイルス」

 WOWOWで録画した「リ・ジェネシス」第5話を見た。
 第4話の最後で,プリオン疾患の感染源について仮説を立てた主人公たちが,米国のプリオン研究者を訪ねて調査し,感染ルートに迫るストーリーであった。
 この話で登場したプリオン研究者の科学者のピントのずれ方のすごさや,モラルを放棄した自然科学者の恐ろしさは見どころだったと思う。
 ただ,それ以外の点では物語の魅力が乏しく,結局,プリオン疾患の問題も解決するのだかしないのだか,うやむやなままになってしまっていたように思う。
 主人公のサンドストロム博士の無茶なところも相変わらずで,少し行き当たりばったりな話の展開に見える。

 同時並行して起こったできごとを,ビデオテープを巻き戻すかのような画像をはさんで描いたり,画面を二分割したりする映像表現上のおもしろさはあるのだけれど,肝心の物語の魅力がまだまだ乏しいように思う。
 今後,おもしろくなればいいのだけれど。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

リ・ジェネシス 第4話「プリオン」

 テレビドラマ「リ・ジェネシス」の第4話を視聴した。
 第3話の最後で主人公のサンドストロム博士とウィルス学者のヒラが銃撃されたが,ヒラはあっさり死亡してしまい,主人公は既に仕事に復帰していた
 そのことが,何かの伏線になるのかと思いきや,どうにも物語自体にあまり絡んでこないような印象である。
 どうも,ここまでぶつ切りのエピソードが次々と語られるばかりという印象が拭えない。
 今後,これらのエピソードをうまく生かしていけるといいのだけれど。

 今回の第4話は,プリオンが原因の死亡例が米国で多発し,その感染源を探す物語であった。
 一応,今回の最後にその原因らしきものがいくつか判明したので,次回その関連の物語が続くらしいのだけれどここからおもしろみのある展開に持っていけるのだろうか。
 少なくとも,ここまではこのドラマは期待はずれだなぁと思っている。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

リ・ジェネシス 第3話「凶弾」

 テレビドラマ「リ・ジェネシス」第3話を見た。
 なんだか話の方向性が見えにくいテレビドラマである。

 前回までの展開から,ラクダ天然痘とエボラ出血熱に類似するウィルスに関するストーリーと自らがクローン人間だと主張する妙な少年のストーリーとが絡んで話が進んでいくのかと思っていたのだが,急に物語がキリストのクローンを作るとかいう運動をしている人たちの話にシフトして行った。
 最初に問題になっていた「ウィルス」と「クローン少年」の話はなんだか小さくまとまってしまい,カタルシスもないまま別の話になってしまったような感じである。
 まだ3話まで見ただけなので否定的評価をするには早過ぎると思っているが,少なくとも現時点では必ずしもおもしろいとは言えない。

 第3話の副題である「凶弾」絡みの話をすれば,主人公のサンドストロム博士はなんだか言動が軽率過ぎるなぁというのが,今回の感想である。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

リ・ジェネシス 第2話「クローン」

 録画していたテレビドラマ「リ・ジェネシス」の第2話「クローン」を見た。
 先日,見始めた全13回のテレビドラマの第2回である。

 今回は,感染が広がっていたウィルスの最初の共通項となるウィルスを保持していると思われる赤ん坊が特定され,隔離される物語であった。
 前回から登場していた自身をクローン人間だと主張する妙な少年に関する話も少しずつ進んでいて,本当にその少年はクローン人間らしいという方向に話が進んできている。

 この第2回の話は最後の辺りまでそれほど起伏のない物語であるように思っていたが,最後に主人公のサンドストロム博士があわててウィルスを有している赤ん坊がいる隔離室に入ってしまうという動きがあった。
 この種の脅威を描いた物語では主人公を窮地に陥れて話を盛り上げるという手法がたびたびとられるので,なるほどとは思ったが,サンドストロム博士が隔離室に入ってしまう経緯はやや安易であると思った。
 実際に,このような新種の危険なウィルスを扱う国家の最新施設があったとしたら,主任の科学者であるとはいえ,そんなに簡単に危険な隔離室にひょいひょいと入っていけるようなしくみにはなっていないのが通例なのではないかと思う。
 この安易な危機管理体制は,一体どうなっているのかと思った。
 いずれにせよ,これでウィルスに対する対処を緊急に行うことが不可欠な事態になったとは言えるので,次回物語が急展開するのかもしれない。
 クローン関連の話が,これから全体のストーリーにどう関係してくるのかとうところも楽しみである。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.01.06

リ・ジェネシス 第1話「感染」

 WOWOWで年始にまとめて放送していた「リ・ジェネシス バイオ犯罪捜査班」というテレビドラマを録画した。
 カナダで制作された作品であるというのが珍しい気がして興味をひかれたことと,全13話というコンパクトにまとまった長さだったことから,録画して鑑賞することにしたのである。
 先日,録画した全13話中の第1話を鑑賞した。
 以下,ネタバレ的な内容については,黒い文字で記述する。

 主人公デビッド・サンドストロム博士は,分子生物学の専門家であり,NorBAC(北アメリカバイオテクノロジー諮問委員会)とかいうアメリカ・カナダ・メキシコ政府が共同で設立した生化学関係の調査機関に所属している。
 物語の冒頭,サンドストロム博士がとても精神的に弱って悩んでいる様子で,知人などに次々と電話をかける場面が描かれている。
 博士が,どうしてそこまで弱っているのかははっきり描かれていないが,電話でだれかに対して,「死体に触るな」などと言っているので,なにか彼が判断ミスをしたために致命的なウィルスが広まってしまったとか,そのような状況であるかのようにも思われる。
 博士は,親しい人たちに対して,直接会いに行こうとせず,電話で話をしようとするばかりであるので,博士自身がなんらかのウィルスなどにより瀕死の状態なのでないかとも考えられる雰囲気である。
 一方で,博士の行動はのろのろしていて,緊急性があるような雰囲気にも見えないので,そこが不思議な感じである。
 一体どうしたのだろうと思っていたところ,博士はいきなり自動車に轢かれて路上に倒れてしまった。
 いきなり主人公が死んだのかと思ってびっくりしていた
ところ,物語は唐突に6か月前の出来事に戻っていく。

 なかなか工夫した第1回の冒頭である。
 最初のこのような場面に至った経緯が物語として描かれるのであろうが,どうしてこのような場面に至ったのかその場面で描かれていることの真の意味はどのような意味なのかということがなぞとして残されているので,想像をかきたてられるうまいつくりである。

 そして,次に,冒頭の場面の約6か月前,ラクダ天然痘という一種の天然痘の性質を持ちつつ,エボラ出血熱のような症状を伴う病気を発症させるなぞの致死性ウィルスが発見され,感染者が次々と増えていく中,その原因となるウィルスの特定と感染の広がりの防止に努めるNorBAC関係者の活躍が描かれるのである。

 見る前は,てっきり1話完結式のテレビドラマなのかと思っていたのであるが,どうもそうではないようである。
 問題のウィルスが発生した原因について科学者たちが議論している場面を見ても,その内容についてよく理解はできないけれど,緊迫感があって楽しめた。
 どうやってあの冒頭につながるのか,そして,どういう結末をつけるのか大変楽しみである。
 ただ,1回目から,いきなり日本で放送するためにはモザイクをかけなければならないような場面が出てきていたので,その点はちょっといかがなものかと思った。
 とにかく13話まで,順に見ていく予定である。

| | Comments (0) | TrackBack (0)